【Bitcoin Geek】オタク視点でビットコイン考察|第4回 チャート分析は暗号通貨に通じるか[佐々木徹]

暗号通貨を取引するためには、チャート分析を学んだ方が良いのでしょうか?という質問を多く受け取るようになりました。これまで取引の経験はないけれど、暗号通貨は何だか面白そうだから始めてみようという方も増えてきたようですね。

当記事では、今の暗号通貨市場がどのような動機で値を動かしているのか、またそれらはチャートだけで捉えきれるのかを少しだけ書いてみたいと思います。

※この記事は、FX攻略.com2018年4月号の記事を転載・再編集したものです

【【Bitcoin Geek】オタク視点でビットコイン考察[佐々木徹]】
第1回 ビットコインの上昇圧力を無料で計測する方法
第2回 ビットコインの価値
第3回 仮想通貨売買で大金を失わない方法

完璧なポイントで反応することもあるがアルトは情報戦に

まずは暗号通貨代表のビットコイン。ここにハーモニックパターンの一種であるAB=CDを乗せてみました(チャート①)。確かに、2017年12月に200万円を突破した高値から1月18日の安値100万円ダイブの到達点をピタリと特定しています。この事例のようにチャート分析がピンポイントで特定してくれることもあります。ただし、これは時価総額の大きなコインのみ。いわゆる小型のアルトコインに降りていくと、そこには全く違う世界が広がります。

例えば以下のチャートを見てみましょう(チャート②)。こちらはVergeというアルトコインに、FXで用いられることの多いストキャスティクスを乗せてみたものです。チャート下部のストキャスティクスが売りシグナルを出しているとき、確かに頭を打たれ下降に転じていますよね。

余談ですが、オシレーター(一定の数値間を上下するインジケーター)を使う鉄則は、下げ相場のときに買われ過ぎ、上げ相場のときに売られ過ぎを拾うことです。逆をやると地獄の底まで連れて行かれますので、気をつけてください。

では少し時間を進めてみましょう。チャート③の左下に見えるオレンジで囲った線は、既出チャートを囲んでいたものと同じです。先のチャート終値では0.00000054(54×10)BTCだったものが、10日ほどで0.0000198(1980×10)BTCへと上昇しています。倍率にして、1980÷54=36.6倍です。もう一度書きますね、36.6%ではなく36.6倍です。

これを見て「うわ儲かりそう!」と感じるのか、「口座資金が吹き飛ぶ悪夢」と感じるのかは、それぞれ読者の方が決めれば良いことだと思います。一つ言えるのは、この動きをチャート分析で追うことは絶対に無理ということです。

では、こんな不規則で爆発的な値動きを引き起こした原因とは、何なのでしょうか? チャートでなければ、ファンダメンタルズ? マーケット環境の変化? いえいえ、これです(次の画像①)。

そう、一人の発言でVergeが言及されたことが引き金になりました。JohnMcAfee(ジョン・マカフィー)氏は、ウイルスソフトで有名なマカフィー創業者であり、その奔放な行動から多数のフォロワーを抱え、言動が多くの人を動かす「インフルエンサー」です。

そんなマカフィー氏がツイッターで「みんなからお勧めの暗号通貨を聞かれて大変な思いをしている。少し考えれば分かると思うが、プライバシー系のコイン(匿名取引ができるもの)が最も有望であることは自明の理だ。Monero(XMR)、Verge(XVG)、Zcash(ZEC)は負けない」と放ったわけです。さらに、XMRとZECは既に時価総額がそこそこあるのに対して、XVGは豆粒ほどのダークホース。少しの資金が流れ込んできただけで、先ほどのような「逆噴ナイアガラ」が完成するわけです。

このXVGが見せた逆噴ナイアガラ上昇でマカフィー氏の影響力に驚いた人々も、彼を次々とフォローし始めます(私もその一人!)。ますます発言に影響力を持ち始め、偽アカウントが登場したり、そのアカウントは実は本人がやったんだろうといわれたり…。セキュリティソフトの創業者がハックされるって何よ?というツイートに対しては、「ツイッターのセキュリティ対策と俺とは関係ない」などと奔放な発言をし、さらにそれが人を引きつけ影響力は増加しています。

このころから、「マカフィー氏のツイート銘柄=急上昇」の構図が出来上がり、それをマネタイズしようとボットを作り、ツイッターフィードを自動検知して瞬時に買いを入れる高速トレードが始まります。するとツイッターの前に張り付いて待ち構えている人々から、「ボットが先食いするから利益が取れないじゃないか」というクレームがマカフィー氏に届き始めます。そこでファンの一人が、コイン名称を画像でポストすれば良いとアドバイス。ボットが画像認証するのにタイムラグが生じるため、人間に不利な反応速度の違いを緩和できる、というものでした。

素直なマカフィー氏は、次回から「本日のコイン」を画像化することにしました。そこで終わらないのがこの人。この経緯をファンの一人がブログにまとめてアップします。それをマカフィー氏がツイッター上で紹介した瞬間、そのブログはトラフィック集中でサイトが落ちるという人気ぶり。もう喜劇を通り越して壮大なツイッタードラマを見せてもらった12月でした。

まとめ

この記事は2018年の1月前半に執筆したものですが、特に今のマーケット環境ではチャート上の規則性よりも著名人がツイートすることの方が直接的な値動きの引き金になりやすい状況にあります。一つの理由として、表面単価の小さいアルトコインが買われていることが挙げられます。低単価コインは時価総額そのものが小さい傾向があり、一時的なバイヤー集中で価格が噴き上げやすいのです。

ITバブルの時代、NTTなどの大型株が高くて個人投資家が手を出しづらかったとき、ライブドアが株式分割を繰り返し購入単価を引き下げ、時価総額を著しく上昇させたことがありました。それに似たことが今の暗号通貨市場で起こっているのかもしれませんね。

では冒頭の質問に戻りましょう。暗号通貨にチャート分析は通じるのでしょうか? もう明らかですよね。答えはYesでありNo。使う相手とタイミング次第といえるでしょう。くれぐれも取引は計画的に行いたいものですね。ハッピー・トレーディング!

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2017年末のビットコインはどこへ行く?

※この記事は、FX攻略.com2018年4月号の記事を転載・再編集したものです

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