ビットコインを始めとする仮想通貨を売買する際、たった一つの単純なルールを知らないばかりに大金をロスしてしまう可能性があります。当記事では、その望まない事故を避けるための方法を書いてみたいと思います。
※この記事は、FX攻略.com2018年3月号の記事を転載・再編集したものです
【【Bitcoin Geek】オタク視点でビットコイン考察[佐々木徹]】
・第1回 ビットコインの上昇圧力を無料で計測する方法
・第2回 ビットコインの価値
望まない事故を避けるための方法
水泳でレースをするのにプールへ飛び込むことを考えてみましょう。あなたなら、最初に何をしますか?
もちろん準備運動もあるでしょう。ただそれより、まずはプールの水深を確認するのではないでしょうか? なぜなら飛び込んだ先の水深が浅すぎれば、頭を打ち大怪我をしてしまうからです。
実は同じことが仮想通貨の取引でも当てはまります。チャート①はGDAX社で実際についてしまった価格です。300ドルを超える価格で気配値が推移をしているところに、いきなり宙を進むゴンドラから垂れた避難ロープのような巨大下ヒゲが出現しています。
このときについた価格は0.01ドル。300ドルで直前まで取引されていたものが、なぜそのようなことになってしまったのか、深掘りをしていってみましょう。
FXと暗号通貨の異なるモデル
普段FXで相対ブローカーを使うことで、「板」を意識せずに取引をしている方も多いと思います。FXの成り立ちとして、どちらかといえば各ブローカーが価格を提示、それに納得をした顧客は、そのレートで売買する。つまり価格提示型のモデルになっています。
これに対して仮想通貨の主たる取引では、各取引所に集まった参加者同士が希望する売買価格を探していく方式となります。少し分かりやすくするため、仮の事例を使って考えてみましょう。
事例:板を見ず取引した大玉君の末路
大量のイーサリアム(ETH)を保有する「大玉君」は、買いたいものができたため、早く現金化したいと思っています。大玉君は普段、相対取引のCFD(差金決済型)ブローカーで板を見ずにFXを取引しています。そこでポジションを売却するのと同じく、次のように考えたとしましょう。「手持ちのETHを気配値で良いから全部売り払ってしまいたい。面倒だから成行で全部売ろう!」
そのとき、表①のような板が見えていたとします。今の気配値は300ドルあたりですね。ここで気をつけるべきは、気配値とは直近で売買が成立した価格でしかなく、必ずしもその価格で売却できるわけではないということです。
具体的に見ていきましょう。大玉君が保有するのは1万ETHです。大金持ちですね! 仮に1万ETHの売り注文を、先述の板へ一気に成行注文で流し込んだとします。
ちなみに「売りの成行注文」を言い換えると、こうなります。「値段はいくら下がっても文句は言わない。だから注文が全部約定するところまで値段を下げてくれ。そうだ、遠慮はいらない。思いっきりやれ!」
そこで大玉くんの命を受けた取引所のコンピューターは、忠実に注文を全て約定させられる価格を探しに猛ダッシュをします。すると、事例に挙げたスカスカな板は、以下の順で売買を成立させていきます。
大玉君の手元には、まだ9996ETHが残っています。ところが、この下は指値がない絶望の谷が広がっています。そんな宇宙空間のような板で行き着いた指値は、以下のようなものでした。
0.1USD× 9996ETH=999.6USD
指値を入れた人は真空な板を見て、成行で注文を入れる間違いオーダーが来ないとも限らないと網を張っていたわけです。結果的に大玉くんが手にした売却金額は、以下の通りでした。
1150USD=4ETH
999.6USD=9996ETH
平均単価を計算してみると、
(1150+999.6)/10000=@0.21496USD
となります。つまり300ドル前後で売れるはずのETHを、0.2ドルで大安売りしてしまったわけです。
結論!板を見て指値を使おう
こうした事故を防ぐのは、とても簡単です。まず取引を行う時点で、板に並ぶ売り玉と買い玉との数量を確認しておくことです。
先の事例のように、自分が売りたい玉の数が決まっているなら、それを約定させられる価格がどこなのかは、ほぼ見当をつけることができます。もしそこまで確認するのが面倒という場合でも、指値を入れておけば大丈夫です。大玉くんの事例なら、280ドルで指しておけばその価格を切って約定することはありませんでした。
もちろん最近の取引所は気が利いていて、「成行」の注文が不可能になっているところも多いです。それでも、マーケット間の基本的な違いを知っておくことで、FXから暗号通貨へとスムーズに移行することも可能になるのではないでしょうか?
ボラティリティが大きく、365日動くマーケットは魅力的である一方、まだまだ未成熟な落とし穴も多いもの。知っておけば避けられる損失もたくさんあります。新しい市場に入る前には、ある程度のリサーチをしておくことも、投資効率を上げる一つの方法かもしれませんね。ハッピー・トレーディング!
※この記事は、FX攻略.com2018年3月号の記事を転載・再編集したものです
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