仮想通貨高騰と見る前に跳べ精神［鹿内武蔵］

そもそもどうなるかなんて分からない

最近、いろいろなところでビットコイン、仮想通貨といったキーワードを耳にするようになりました。

仮想通貨の代表選手であるビットコインは、2016年春には5～6万円くらいだったのですが、2017年10月12日の時点で、58万円前後まで上昇。すさまじい上昇圧力で、これだけ動くのだから、そりゃあ話題になるよね、という感じです。

こういう状況になると出てくるのが、「ビットコインはまだ上がるのか。上がるならどれだけ上がるのか」という話題です。はい、私もしますし、みんなこういう話は大好きですよね。

でもですね、当たり前ですがそんなの分からないですよ。普通の人間には未来は見えないです。まして、仮想通貨は人類史上で初めて出てきた概念ですから、既存の金融商品と比べても得られる情報はほぼないでしょう。

そもそも、ビットコインをものすごく安い時期に買って、ここ最近売り抜けて儲けた人はいるはずですが、その人たちも「将来、間違いなくビットコインは高騰する」みたいな、絶対的自信があって安いうちに仕込んだのではないと思います。

「仮想通貨は面白いシステムだな」「仮想通貨は今は安いけど今後上がるかも…」程度の期待を込めて購入した人がほとんどでしょう。

もしも上がったらに備えておく

人間誰だって勝ち馬に乗りたいです。間違いのない儲け話があるならそれに越したことはありません。ですが、投資は利益を得る見返りにリスクも負うわけですから、確実に儲かるような話は、基本的にないと思うべきです。

だから、「もしかしたら儲かるかも」という、良い意味で軽い気持ちで参入しておき、後から振り返ってその選択が正しかった、良かったね、という状態になればそれで十分なのではないかと思います。

もちろん、この手の儲けの可能性話って、うまくいかないことの方が多いはずです。何発も打ち込んでおいて、どれか一発ヒットすればOKという世界ですね。だからこそ、お金持ちは有利。複数の投資先に余剰資金を振り分ける余裕があるのは強いです。超長期的に成長を見込んで買っておく個別株なんかは、資金量＝選択肢の多さですからね。

見る前に跳んだら儲かることもある

FX攻略.com12月号のボリ平さんとの対談でも出てきますが、慎重すぎる方が多いように感じます。「FXって儲かるの？」という質問自体に意味がないですよね。投資は商品性や必要な資金などと、それをやる人の相性の部分が大きいので、例えばFXがある人に向いているかどうかは、やってみる以外に判断する方法はありません。

また、どんな投資でも、膨大な時間の検証作業や、デモトレード・少額投資での十分な練習が絶対必要ですが、それを楽しみながらできるか、抵抗なく毎日できるかは、それこそやってみないと分からないわけで。

だからこそ「見る前に跳べ」精神です。まさにボリ平さんがおっしゃっていましたが、実際にポジションを持つと、人はやっぱり気になるもので、チャートを見たり、その商品のことを知ろうとするわけです。この習性を生かせば、実際に触れていてイメージをつかみやすい状態と相まって、理解が一気に進むのではないかと思います。

ただし、試しにやってみるの状態では、まず間違いなく負けますから、小さな資金、あるいはデモでやるのが鉄則ですし、負けすぎないように防衛する、損切りの知識と実行は必須となるわけです。

しっかりとした防御術を心得た上で、旺盛な好奇心を存分に発揮してみてください。本当にそれをやった人たちが、ビットコインの高騰で利益を手にしたわけですから。

※この記事は、富士山マガジンサービス読者限定FX攻略.com編集部便りに掲載されたものを加筆・編集したものです。